【建設業の資金調達方法8選】おすすめはファクタリング!各手段のメリット・デメリットを交えて徹底比較

2023年08月10日

建設会社を安定的に経営し、成長させるためには、資金繰りの手段を押さえておくことが大切です。本記事では、建設業に適した資金調達手段について、メリット・デメリットを交えて徹底解説します!建設業の資金調達にファクタリングがおすすめの理由についても、ご紹介しましょう。

目次

【完全版】建設業に適した資金調達手段8選徹底比較

調達可能額 所要日数 備考
ファクタリング 売掛金の範囲内 即日~1週間程度 所要日数が最短クラス
手形割引 手形の額 即日~1週間程度 売掛先の倒産時に連帯保証で返済義務あり
銀行融資(信用保証協会利用) 100万円以上 1ヵ月~
銀行融資(プロパー融資) 100万円以上 1ヵ月~
日本政策金融公庫(融資) 利用する制度による 1~2か月程度 利用目的によって使える融資制度が変わり調達可能額も変化する
新創業融資制度 3000万円以下 1~2か月程度 起業時に限って利用可能
地方自治体の融資制度 制度による 利用する制度による
ビジネスローン 10万円~ 1週間~1ヵ月程度 銀行融資よりも借りやすいと言われる

ファクタリング|すぐに資金調達可能で銀行融資を受けている状態でも使える

ファクタリングのメリット・デメリット

「ファクタリング」とは、企業が持っている売掛債権などを、期日前に買い取ってもらうサービスのことです。法律上は債権の売買契約(譲渡)となり、所定の手数料を支払って、債券を迅速に資金化することができます。売掛先の信用力をもとに審査を行うので、自社の信用力が低くても問題なく、融資よりもスムーズに資金調達ができます。

ファクタリングには、「2社間ファクタリング」「3社間ファクタリング」があります。2社間ファクタリングとは、ファクタリング会社とそれを利用する会社との2社で契約が行われ、ファクタリング会社は利用会社の売掛債権を買い取り、その金額を基準に資金を渡します。3社間ファクタリングは、上記に加えてファクタリング会社が売掛先の信用調査を行い、その上で利用会社に資金を渡します。

そのため、2社間はファクタリングを利用した事実は売掛先に知られませんが、3社間ファクタリングの場合は知られてしまいます。ただし、その分手数料を低く抑えられるというメリットがあります。

入金までの所要日数は、2社間ファクタリングが即日~3日程度、3社間ファクタリングはさらに売掛先の承諾にかかる日数がプラスされます。ファクタリングには特に調達可能額という概念はなく、売掛債権の金額が限度額となります。

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手形割引|すぐに資金調達可能だが売掛先倒産時の保証リスクがある

手形割引のメリット・デメリット

「手形割引」とは、企業が保有する約束手形を、支払い期日の前に所定の割引手数料を支払って、銀行や手形割引業者に買い取ってもらう取引のことです。売掛先の信用があれば、自社の財務状況に関係なく契約をすることができます。

手形割引の現金が入金されるまでには2~5日かかり、限度額は融資先の信用状態によって異なります。もし手形を支払い期日に決済できずに不渡りを出した場合は、手形の満額に利息分を加えて支払わなければなりません。

信用保証協会を利用した銀行融資|信用が低くても借りやすい

信用保証協会を利用した融資のメリット・デメリット

「信用保証制度」とは、全国信用保証協会連合会の融資制度で、信用保証協会から信用保証をもらうことで、銀行融資を受けやすくなるというものです。

利用会社は信用保証協会に保証料を支払い、万が一返済できなくなったときには、保証協会が支払いを肩代わりしてくれます。審査機関は1ヶ月以上かかり、金利は高めです。保証限度額は、普通保証が2億円以内です。

通常の銀行融資(プロパー融資)|信用力が必要

プロパー融資のメリット・デメリット

銀行からの融資には、先にご紹介した信用保証制度による融資と、プロパー融資の2種類があります。「プロパー融資」とは、金融機関からの直接融資のことで、信用保証制度のように保証料はかかりませんが、銀行としては貸し倒れリスクを負うため、審査は厳しくなります。

金利は比較的安く、融資限度額はありません。審査日数は2週間~1ヶ月ほどで、すでに取引がある優良企業は1~2週間で審査が終わる場合もあります。

日本政策金融公庫の融資|色々な目的で使える政府系金融機関

日本政策金融公庫のメリット・デメリット

「日本政策金融公庫」は国が100%出資した政府金融機関なので、民間よりも金利が安く、返済期間も長く、無担保・無保証の融資制度もあります。事業資金の長期融資や、新事業支援、事業再生支援、海外展開支援など、さまざまな目的に利用できます。

審査期間は、初めて申し込む場合は時間がかかるので、申込書提出から融資終了まで1ヶ月ほどは見ておいた方がいいでしょう。

新創業融資制度|起業するとき限定で使える日本政策金融公庫の融資制度

新創業融資制度のメリット・デメリット

日本政策金融公庫の融資の中に、「新創業融資制度」があります。これは、新たに事業を始める人のための融資制度で、金利が安く、無担保・無保証でも利用できるというメリットがあります。

審査期間は申込書提出から融資終了まで1ヶ月ほどは見ておく必要があり、融資限度額は3,000万円(うち運転資金1,500万円)です。

地方自治体の融資制度|拠点がある自治体のホームページで確認!

自治体の融資制度のメリット・デメリット

「地方自治体の融資制度」は、創業者向けの融資なので起業直後でも利用でき、民間の融資に比べて低金利で、審査にも通りやすいというメリットがあります。

ただし審査期間は長めで、調達可能額や審査日数もケースバイケースです。まずは地方自治体のホームページなどで内容を確認し、必要に応じて役所に問い合わせをして、話を聞くと良いでしょう。

ビジネスローン|銀行融資より審査が緩めで借りやすい制度

ビジネスローンのメリット・デメリット

「ビジネスローン」とは、金融機関の融資商品の中でも、開業資金や運転資金(つなぎ資金)、設備投資のように、事業資金に絞って利用できるものです。

多くのビジネスローンは無担保・無保証で借りられ、最短で翌営業日に融資が受けられるので、資金繰りの苦しい事業者には便利なローンです。融資限度額も300万円~1億円程度と大きいのが特徴です。ただし金利は高いので、利用には注意が必要です。

建設業の資金調達はファクタリングがおすすめ!メリットや知っておくべき基礎知識を解説

ファクタリングのメリット|建設業に適している7つの理由

1.多額の売掛金が発生する業種である

多重下請け構造と発注時に発生するコストが資金繰りを圧迫

建設業の資金調達にファクタリングをおすすめするのには、いくつか理由があります。まず、建設業の多くは多重下請け構造を持っており、多額の売掛金が発生する業種であるということが、大きな理由です。

発注時にかかるコストも多額になるため、他の業種に比べて資金繰りが悪化する可能性が高く、売掛債権を期日前に買い取ってもらえるファクタリングはとても助かるサービスです。

実際、これまでも建設業でファクタリングはよく利用されてきました。融資というよりは、手形の裏書譲渡と似ているため、建設業とファクタリングの親和性はかなり高いといえます。

2.売掛金入金までの入金サイクルが長い

建設業は売掛金が発生してから入金されるまでの期間が長いというのも、ファクタリングをおすすめする理由のひとつです。

建設業の工事は民法上の請負契約に分類されるため、工事完了後に支払いが行われる「後払い」が基本です。そのため、契約時に前金が入金されても、それは全体の金額のごく一部に過ぎません。

その一方で、人件費や工事機材のリース料、下請けに支払う前金など、すぐに必要となる費用は多く、それが建設会社の経営を圧迫するケースは少なくありません。

その点、ファクタリングは売掛債権をすぐに現金化できるため、建設業のシステムとマッチしています。

3.すぐに資金が手に入るため前払費用の調達に便利で大型案件の受注にも役立つ

ファクタリングは資金をすぐ手に入れられるため、下請けなどへの前払費用を調達するときにも便利です。

特に金額の大きな案件は、自社が下請けに仕事を発注する際に払う前金も高額になり、前金が用意できないと仕事を断らざるを得ません。そうなるとビジネスチャンスを逃すことになり、会社の収益にも影響を及ぼすでしょう。

ファクタリングを利用すれば、売掛金を現金に換えることで資金を用意できるので、このような事態も回避することができます。

4.審査に通りやすい&赤字でも利用できる(融資の利用状況も関係なし)

ファクタリングは銀行融資などと比較して審査に通りやすく、たとえ会社が赤字でも利用でき、他の融資に比べて利用しやすいというメリットがあります。

その理由は、ファクタリングが売掛金を買い取る資金調達方法なので、融資を申し込む会社ではなく、売掛先の信用力をもとに審査を行うからです。

3社間ファクタリングの場合は、ファクタリング会社も売掛先の信用調査を行い、自社が損を被らないようにしています。そのため、建設会社もファクタリング会社も、双方がWin-Winの状態で契約ができます。

5.負債を増やさないため今後の融資に影響しない(企業評価を下げる心配がない)

ファクタリングは借り入れではないので、会社の負債を増やすことなく、今後の融資に影響を与えることもありません。

融資を受ける場合、チェックされるポイントは「貸借対照表」(B/S)と「損益計算書」(P/L)です。貸借対照表は企業の財務状況を資産と負債の部に分けてまとめた表で、損益計算書は自社の利益と損失がわかる表なので、負債が多ければそこで「問題あり」とされて融資を受けることができなくなります。

その点、ファクタリングは借金を増やすことがない資金調達方法なので、安心して利用することができます。

6.元請けの倒産リスクを回避できる

ファクタリングには原則として償還請求権がないため、万が一売掛先が倒産しても、自社がファクタリング会社に弁済する必要はありません。

それに対して手形割引は、手形の発行企業である取引先が倒産した場合、譲渡人である自社に連帯責任が発生するため、お金を返さなくてはなりません。そのため、ファクタリングを使った方が、リスク回避につながります。

7.建設業振興基金の保証制度が利用できる

ファクタリングを利用した場合は、「一般財団法人建設業振興基金の保証制度」を利用することができます。

建設業振興基金は、建設業をさまざまな角度から支援している組織です。建設業者を対象とした保証制度も設けており、たとえば売掛金を8割程度保証する仕組みがあります。

そのため、ファクタリング業者としても譲渡された売掛債権を回収できる確率が高いため、審査に通りやすくなっています。

ファクタリングの注意点・デメリット3選

1.売掛金を超える額の資金を調達できない

ファクタリングには、注意点やデメリットもあります。まず、ファクタリングでは売掛金以上の金額の資金調達ができません。売掛金を買い取っているので、当然のことですが、それ以上のお金を調達したい場合は融資を検討した方がいいでしょう。

2.売掛先の経営状態が悪く信用が低いと利用できない

ファクタリングは売掛先の信用をもとに契約をするので、売掛先の信用が低いと、利用できないというデメリットがあります。

ファクタリング会社は、売掛先の業績が悪化して倒産することを恐れているため、経営状態の悪い売掛先とは契約を結びません。ファクタリングを利用する場合は、経営状態の良好な売掛先を選ぶ必要があります。

3.経営難を勘繰られるリスクがある【3社間ファクタリングのみ】

3社間ファクタリングを行うと、売掛先にファクタリングを利用することがばれてしまうため、資金繰りが悪化しているのではと勘ぐられる可能性があります。

もし売掛先に知られたくない場合は、2社間ファクタリングを利用すれば、手数料は3社間ファクタリングと比べてやや高めですが売掛先に知られることはありません。一括ファクタリングでも、2社間ファクタリングに対応した業者を紹介しておりますので、必要な場合はお声かけください。

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