2023年07月13日
資金調達法の一つであるファクタリングには、大きく分けて「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」という2種類があり、利用シーンや状況によって適切に使い分ける必要があります。
この記事では2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いやそれぞれのメリット・デメリット、使い分け方をわかりやすくご説明します。ファクタリングで資金調達をお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
そもそもファクタリングとは?
ファクタリングとは売掛債権をファクタリング会社に売却することで資金を調達する方法です。利用者は売掛債権を譲渡し、売掛金分から手数料を引いた金額を対価として得ることができます。その後、売掛先(取引先)から売掛金が入金されたら、ファクタリング会社にそれを支払います。ファクタリングを利用することで、入金日よりも前倒しで現金を手に入れることが可能です。
なお、不動産などを担保にしてお金を借りる融資とは仕組みが根本的に異なります。ファクタリングの仕組みについてはこちらの記事でも図解入りで詳しくご説明しています。
【項目別】2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの8つの違い
利用者とファクタリング会社の2社で行うファクタリングを「2社間ファクタリング」、利用者とファクタリング会社の他に売掛先が関与するものを「3社間ファクタリング」と言います。違いをわかりやすいように一覧表形式でまとめました。
2社間ファクタリング | 3社間ファクタリング | |
---|---|---|
手数料 | 5%~20% | 3%~15% |
現金化までの時間 | 比較的早い (最短翌日) |
比較的遅い |
債権回収方法 | 利用者から売掛先へ | ファクタリン会社が売掛先へ直接回収 |
審査の可決率 | 低い (審査の難易度が高い) |
高い (審査の難易度は低い) |
個人事業主の利用可否 | 利用できない場合が多い | 利用できる場合が多い |
取引先に知られるか | 知られない | 取引先の同意が必要 |
活用シーン | 取引先からの未入金 銀行の融資遅れ 手形の不渡り阻止 |
建設業 医療機関 設備投資の頭金 |
サービス提供会社 | 中小の独立型ファクタリング会社 | 大手の銀行系ファクタリング会社 |
登記の必要性 | 必要 | 不要 |
審査における利用者の比重 | 利用者の信用も重視 | 利用者の信用はそれほど重視されない |
①手数料相場
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの大きな違いとして手数料が挙げられます。2社間ファクタリングの手数料相場は5~20%、3社間ファクタリングの手数料相場は3~15%で、3社間のほうが安くなる傾向があります。
前述のとおり、2社間ファクタリングではまず売掛金がファクタリング会社から利用者に入金され、それからその売掛金を利用者からファクタリング会社に支払うという流れとなります。一方3社間ファクタリングでは最後の段階で売掛先からファクタリング会社に対して売掛金が支払われます。売掛金を売掛先から直接回収できる分、3社間ファクタリングのほうがファクタリング会社にとってのリスクが低くなるため、手数料が安くなるのです。
②現金化までの時間
手数料は3社間ファクタリングのほうが安いのですが、現金化までのスピードは2社間ファクタリングのほうが早い傾向があります。3社間ファクタリングでは売掛先に対して通知をしたり承諾を得たりする必要がありますが、2社間ファクタリングではそれらが不要なため、圧倒的にスピーディーに進めることができるのです。また、近年ではオンラインによる電子契約を導入しているファクタリング会社もあり、早ければ申し込んで即日のうちに現金化もできます。
ただし、債権譲渡登記が必要となる場合、登記所は東京法務局のみの扱いとなるため、都心部以外の企業が利用する場合は時間がかかることもありますので、注意が必要です。
当サイトでは同時に複数のファクタリング会社に一括見積もりを申し込めるため、2社間、3社間ともにスピーディーに資金調達をすることが可能です。是非お問い合わせください。
③債権回収方法
2社間ファクタリングの場合は集金業務委託契約を結び、利用者がファクタリング会社に代わって売掛債権を売掛先から回収することになります。一方で、3社間ファクタリングの場合は、ファクタリング会社が直接売掛先から売掛債権を回収することになります。
3社間ファクタリングを利用すれば、債権回収をファクタリング会社に任せることができるので、回収業務や債権管理、あるいはファクタリング会社に対する売掛金支払いの手間やコストを省くことができ、資金繰りや経営改善に注力できるようになります。
④審査の通過率
審査の通過率に関しては3社間ファクタリングのほうが2社間ファクタリングよりも難易度が低い傾向があります。前述のとおり、2社間ファクタリングの場合は、債権が売掛先から直接回収できる3社間ファクタリングと比較して、ファクタリング会社が背負うリスクが大きくなってしまうため、どうしても審査が厳しくなってしまうのです。とはいえ、銀行融資と比較するといずれも利用しやすいのは間違いありません。
ただし、個人事業主の方や法人でも業績が悪化していて倒産リスクが高いと判断されるケースなどでは、審査が通過しない場合もあります。
⑤個人事業主の利用の可否
3社間ファクタリングであれば個人事業主の方でも利用できますが、2社間ファクタリングの場合は利用できない可能性があります。2社間ファクタリングを利用する際には債権譲渡登記を行うケースが多く、その際には法人の登記事項証明書が必須となります。そのため、法人登記をしていない個人事業主の方はどうしても2社間ファクタリングが利用しづらいのが実情です。
ただし、必ずしも使えないというわけでもありません。ファクタリング会社によって要件が異なるため、問い合わせてみましょう。
⑥取引先に知られるかどうか
基本的に利用者とファクタリング会社の間で行う2社間ファクタリングの場合は、取引先にファクタリングの利用が知られることはありません。一方で、3社間ファクタリングの場合は、売掛先からの同意が必要であり、ファクタリング会社が売掛債権を回収するため、どうしても取引先に知られてしまいます。
取引先からファクタリングを利用していることをどうしても知られたくないという場合は2社間ファクタリングの利用がおすすめです。
⑦活用シーンの違い
一概には言えませんが、2社間ファクタリングは取引先からの未入金や銀行の融資遅れ、手形の不渡り阻止のためなど、予定していた入金が突然なくなった場合や想定外の支出があった際に利用されているケースが多い傾向があります。
一方3社間ファクタリングは建設業や医療機関などが設備投資の頭金などを準備するケースで活用されることが多い印象です。
⑧その他
その他にも2社間ファクタリングは中小の独立系ファクタリング会社がサービスを提供している傾向があり、債権譲渡登記が必要になる、審査時に売掛先の与信状況はもちろん、利用者の信用も見られるといった特徴があります。
3社間ファクタリングの場合は主に大手銀行系のファクタリング会社がサービスを提供しているケースが多く、債権譲渡登記は不要で、審査時には売掛先の信用が重視され、利用者の与信状況はそれほど見られないといった傾向があります。
2社間と3社間それぞれのメリット・デメリット
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングには以上のような違いがあります。それぞれの特徴とメリット・デメリットを考慮した上で、2社間にするか、3社間にするかを選択することが大切です。ここからは両者のメリットとデメリットについて見ていきましょう。
2社間ファクタリングのメリット・デメリット
2社間ファクタリングのメリットは取引先に知られることなくファクタリングによって資金調達を行えることと、現金化がスピーディーに行えることです。前述のとおり、オンラインでの手続きを導入しているファクタリング会社であれば、申し込んだその日のうちに現金を調達することも可能で、特に給料や取引先への支払いが迫っているなど、急を要する場合には重宝します。
一方、デメリットは手数料が高くなってしまうことと、審査が厳しいことです。2社間ファクタリングはファクタリング会社にとってはどうしてもリスクが高くなるため、致し方ない面もあります。また、個人事業主や法人でも業績が極端に悪化していると判断された場合は利用できないのもデメリットです。
3社間ファクタリングのメリット・デメリット
3社間ファクタリングのメリットとしては手数料が安いことと、審査が通りやすいことが挙げられます。
一方で売掛先に対する審査を行うためどうしても現金化までに時間がかかってしまうことと、取引先にファクタリングを利用することが知られて資金繰りを疑われる可能性があることがデメリットといえます。
【目的別】2社間と3社間はどのように使い分けするべき?
2社間ファクタリングと3社間ファクタリング、それぞれの違いやメリット・デメリットはご理解いただけたかと思います。これらを踏まえた上で、ここからはそれぞれの使い分け方についてご説明します。
①売掛先に知られたくない
ファクタリングを利用していることが取引先に知られることで、「資金繰りが危ないのではないか」「倒産するのではないか」と疑われ、今後の取引に悪影響が及ぶ可能性もあります。
取引先にファクタリングを行って資金調達をすることを知られたくない場合は、売掛先が関与しない2社間ファクタリングがおすすめです。一方、取引先に知られても問題ない場合は、手数料が安くて審査も比較的ゆるい3社間ファクタリングを選ぶのもいいかもしれません。
②手数料をできるだけ抑えたい
述のとおり、2社間ファクタリングの手数料相場は5~20%、3社間ファクタリングの手数料は3~15%で、3社間ファクタリングのほうが手数料は安い傾向があります。
取引先に知られても問題なく、とにかく手数料を抑えたいと考えられているのであれば、3社間ファクタリングがおすすめです。
③すぐに現金が必要
3社間ファクタリングはどうしても売掛先に対する通知や承諾あるいは審査が必要となるため、現金化までに時間がかかってしまいます。2社間ファクタリングならそれらが不要なため、圧倒的に現金化までのスピードが早いです。
従業員への給料支払い、仕入先や外注先への支払いが迫っている、不測の事態が発生したなどの理由ですぐに現金が必要になった場合は、2社間ファクタリングがおすすめです。
④売掛先が国や地方公共団体の場合
3社間ファクタリングは売掛先に知られてしまうリスクを許容できる場合にしか利用できません。民間企業の場合はファクタリングの承諾が得られるとも限らず、その後の取引にも影響が及ぶ可能性があります。
一方、売掛先が非営利である国や地方公共団体の場合には、その後の取引や風評被害などを心配せずに3社間ファクタリングを利用することが可能です。
【まとめ】目的や状況に合わせたファクタリングを利用しよう
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングにはそれぞれ特徴やメリット・デメリットがあります。それらを押さえた上で、目的やご自身・取引先の状況を鑑みて適切な方法を選ぶことが大切です。
また、手数料の率や現金化までのスピードはファクタリング会社によって大きく異なります。本サイトの一括見積もりに申し込んでいただければ、100社以上の中から厳選したファクタリング会社からお見積りを取ることが可能です。いずれも全国に対応している、最短即日のスピーディーな現金化が可能、手数料が業界最安値水準など、強みをもった会社ばかりで、その中からさらにお客様に最も適したファクタリング会社を見つけることができます。
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